サイトの作り方シリーズでは、筆者が10数年やっている同人サイトをこうやって作ったよということを紹介していきます。
今回は、WordPressのブロックエディタで同人サイトを作るメリットについてご紹介します。
同人サイトの作り方を検索したときにヒットするページは、
一部は情報が古いままになっているものがあり、参考にしてもうまくいかないことがあります。
できるだけ新しい情報を集めてください。
作成や最終更新が2020年~くらいのページがおすすめです。
「サイト作りは難しそう」「昔と違って覚えることがたくさんある」というイメージがあるかもしれませんが、
コードやタグを自分で書かなくても綺麗なサイトを作れるようなサービスも多くあり、楽になっていることも多いです。
昔かじっていた方は、どうか自分の経験を「いにしえ」などと卑下しないで。絶対役に立ちます!
WordPressを使う理由について
私はWordPressのグーテンベルグGutenberg=ブロックエディタを利用しています。
これはサイト全体に使っていて、アバウトページもギャラリーページも、日記も、何もかもWordPressでできています。
私がWordPressにたどり着くまでに同人サイトやそこに載せる日記を作成・運営するのに使ってきたツールをまとめると、
下記のような遍歴になります。(番号が振ってありますが、同時進行だったり色々あります)
- フォレストページ(ガラケーサイト)
- HTMLやCSSファイル手書き
- HTMLやCSSのテンプレート利用・カスタマイズ
- レンタルブログ(fc2やJUGEM)
- 日記CGIのnicky!
- WordPress
かなり懐かしい名前もありますね……! どれも大好きでした。
しかし最終的に日記のみWordPressにする→その使い勝手の良さからサイト全体をWordPressにすることで今に至ります。
WordPressでのサイト制作や運営は、とにかく楽、便利、楽しいです。
これに慣れてしまうともう他の方法でサイトを運営することはできない気がします…。
HTMLをいじる楽しさは普遍ですが、作品展示などの手間を考えるとWordPressを使いたいし、
WordPressを使うとしてもクラシックエディタには戻りません。ブロックエディタ最強。
とりあえずエディタについては後程触れるとして、
まずはWordPressを使ってサイトをやるとこんなことができるよ、こんなふうに使っているよ、
というご紹介をしていきます。
サイトもブログもできる
WordPressは、いわゆるCMS(コンテンツマネージメントシステム)。
ブログやサイトを作成・管理するシステムとして非常に優れています。
長年世界的にもトップシェアを獲得しているポピュラーなCMSです。WordPress本体は、無料です。
WordPressにはテーマというものをインストールして使います。
テーマとは、他のブログなどのサービスでいうと、「スキン」とか「着せ替え」みたいなものにあたります。
とはいえWordPressのテーマは見た目を変えられるだけでなく、便利な機能が追加されるものも多くあります。
さらに、プラグインを追加することによってもっともっと多機能にできます。
テーマとプラグインは無料のものも多いですが、有料のものもあります。
優秀なテーマやプラグインを備えたWordPressでのサイト運営は、本当に多機能だし、便利です!
データベースを使う(有料レンタルサーバー環境がほぼ必須となる)ソフトウェアであるという理由もありますが、
私がここ10年ほどサイトや日記をやるために使ってきたツールのどれよりも多機能です。
先程挙げたとおり、これまで色々なものを組み合わせつつ使ってきましたが、
どれも更新の手間がかかったり、設定できるカテゴリの数に限りがあったりなど、どうしても難がありました…。
WordPressではブログもサイトも一度に作成できるため、とにかく管理が楽! ですし、どの機能も高性能です。
ブログ機能が不要だとしてもWordPressでサイトを作るメリットがいくつもあるくらい、WordPressは優秀です。
私が同人サイト作成において便利だと感じていることの一例を挙げますと……
- 通常の投稿と固定ページ、カスタム投稿タイプなどでブログや作品展示を使い分けられる
- FTPソフトを使わなくても更新できるので楽
- テーマによって好みのデザインに変更可
- 管理画面だけでページの編集や装飾(css編集含む)可
- 基本的にコードを書かなくて良い
- ウェブ上でアップした画像やファイル管理
- ギャラリーやlightboxプラグインで大量画像展示
- その他にもサイト運営に便利なプラグイン多数(アクセス解析、メールフォーム、Web拍手などなど)
- とにかく幅広いカスタマイズが可能
- WordPress使用人口が多いので、検索すると問題解決しやすい
などなど…書ききれないくらい色々あります!
個人的に投稿・固定ページ・カスタム投稿タイプの使い分けができるのは、
コンテンツの多いサイトを管理するうえでかなり助けられています。長年やってるとカオス化してくるので…。
逆に、ブログだけのために使うとしても、もちろん便利です。私も元々はブログ(日記)のためだけに使っていました。
同人サイトのブログとして使っていて便利だなーと思った機能についても簡単にまとめておきますので参考にどうぞ。
- 下書き機能・リビジョン機能(下書きが複数バージョン保存できる)
- 記事ごとにパスワード制限
- 画像アップロード
- ペースト(貼りつけ)で画像アップロード可
- 予約投稿
- 文字数表示
- 元に戻す・やり直す
- ネタバレやセンシティブ配慮が簡単
- カテゴリー、タグなどで記事を分類
- カテゴリーはプルダウン・タグはタグクラウドなど表示方法色々
めんどくさがりな私としては、コピペで画像アップができるのは地味にありがたいです。らくがきをさっと載せられる!
ブロックエディタが超便利
WordPressでは「ブロックエディタ」というエディタを使ってブログ投稿やウェブページを作成することができます。
ここでいうエディタとは、ブログを書く画面のことですね。文字を打ち込んだり、装飾したりする編集画面です。
WordPressにはクラシックエディタとブロックエディタがあり、前者をバージョンアップしたものがブロックエディタです。
このブロックエディタの説明に入る前に、もし誤解している方がいたら解いておきたいので、
先にブロックエディタの評判について書きます。
ブロックエディタの評判について
このブロックエディタ、ネット上では賛否両論というか、現在はWordPressのスタンダードのはずなのに、
過去のスタンダードであるクラシックエディタ支持が根強く、否定寄りの意見が目につきやすかったりします…。
ちょっとだけWordPressの知識を持っていると、「ブロックエディタ」とか「Gutenberg」の文字列を見ると、
「ああ、あの使いづらいやつ」と思ってしまうなんて方もいるかもしれません。
私もブロックエディターを2020年頃に使い始めた当時は、否定派と似た意見でした。
クラシックエディタに慣れすぎてしまったせいもあります。
しかしその後ブロックエディタは使いやすく進化してきましたし、
ブロックエディタの使い心地を向上させてくれるブロックエディタ対応テーマなどの存在もあり、
今ではクラシックエディタを触ることは一切なくなりました。
とりあえずブロックエディタ使ってみた方がいいですよ!!!
と声を大にして言いたいので、言っておきます。
さくらのレンタルサーバーのクイックインストールでWordPressをインストールすると、
Classic Editorプラグインが最初からインストールされますが、私は真っ先に削除します。そんなレベル。
ブロックエディタの特徴について
ブロックエディタ対応テーマをインストールしてブロックエディタを使えば、
「今はこんなに綺麗なサイトが簡単に作れるんだね」って回し者のようなことを思ってしまうこと請け合い。
編集画面と完成画面の見た目がほとんど同じなので、完成した形をイメージしやすいですし、
ショートカット入力などに慣れさえすれば、記事を書く速度もかなり向上します。
試行錯誤しながらコードを書く時間も楽しいですが、そのぶんをコンテンツを作る時間に割くことができますよ!
なお、なんだかんだで細かいカスタマイズ欲が出てきたりすると、
CSSをいじったり、HTML感覚でPHPファイルを触ったり…という楽しい時間は生まれがち。なので、
人によりますが、完全にコードを書かなくなるということもないかと思います
(もちろん書きたくない人は書かずにブロックエディタだけで完結することも可能です)。
ブロックエディタの詳細な使い方とか、ブロックエディタ対応のいい感じの無料テーマなどは、
まずはいい感じの外部サイトを読んでもらうとして…
ブロックエディタは、とにかく手早く、手広く、サイトを構築したり装飾したりするのに長けているのが特徴です。
「HTML、CSS、PHPがよくわからない」というような方は是非ブロックエディタを使ってください。
「若干わかる」という方でもその知識は十分に活かせるので、ブロックエディタを使ってください。
とりあえずWordPressが使える環境があれば、一度上記のような無料ブロックエディタ対応テーマを導入して、
書き心地を試してみてほしいです。ブロックエディタの書き心地はテーマに依存する部分もとても大きいので…!
使いたいテーマがブロックエディタに対応していないなどの事情がある方もいるかもしれませんが、
今はまだ使えるクラシックエディタのサポートもいつかは終了する日が来るかもしれません。
ブロックエディタ対応テーマを使った方が今後のためでもあると個人的には思います。
ギャラリープラグイン
WordPressはプラグインを追加することでさらに機能を増やすことができます。
プラグインはとにかく色々あり、メールフォームやアクセス解析、投稿の並び替え、Web拍手、などといった
同人サイトにあると嬉しい機能も追加できます。
無料のものも多いです(私は基本的に無料のプラグインしか使っていません)。
中でも重宝しているのが複数枚の画像を展示するのに便利なギャラリープラグイン。
私のサイトでは絵や漫画の展示が多いため、
WordPressで使えるギャラリープラグインで画像を一気に管理・展示できる点は、
それだけでもWordPressを使う理由になるくらい、大きなメリットだと感じています。
さらに、画像をlightboxで表示するプラグインもあわせて使えるので、
プラグインを使わずに画像を展示するなんて考えられない…と思うレベルです。
たとえば、
ブロックエディタの一部のスクリーンショットです
こんな感じのショートコード(WordPress特有の、短いコードで機能を呼び出せるもの)を記事内に載せるだけで、
実際にクリック・タップで拡大できるギャラリーです
この通り、サムネイルが並んだギャラリーを表示できるんですよ! 簡単すぎる!!
このギャラリーはlightboxのプラグインと組み合わせてあり、画像がlightboxで拡大表示できます。
(×ボタンや、画像の外の領域をクリック・タップするか画像を上下にスワイプすると閉じます)
自動生成されたサムネイルがずらっと並ぶので、今まで描いてきたものが可視化されて達成感が湧くのも好きなところです。
WordPress管理画面内で、ギャラリープラグインに画像を追加したり、並び替えたりといった管理も簡単にできるので、HTMLでimgタグをコピペして画像を展示していたときより本当に楽、なのに綺麗。良いことづくめです。
ちなみにこの例で使用しているギャラリープラグインは「NextGen Gallery」。無料です。
NextGen Galleryの便利な機能などの一部を簡単にまとめておきますのでご参考になれば幸いです。
- 画像アップロード(複数枚可)
- 画像並び替え(マウスドラッグ・ファイル名や日時などによるソート)
- 画像ごとにキャプション挿入
- サムネイルにキャプション表示・非表示
- 画像削除(複数枚可)
- サムネイルのサイズ一括変更
- lightbox設定
- メディアライブラリから画像挿入
- 画像に「透かし」挿入
- ショートコードでギャラリー挿入
こんなサイトをやっています(WordPress仕様)
サイトの情報
ということで、私のサイトではWordPressを下記のような感じで使っています。
使用テーマ | SWELL |
投稿ページ | ブログに使用 |
固定ページ | アバウトページや、作品展示ページのジャンル分岐ページなどに使用 |
カスタム投稿タイプ | ジャンル分岐ページからリンクを貼りたいジャンルやCPごとの作品展示ページに使用 上記ページからさらにリンクを貼りたいページに使用(小説など) |
プラグイン(一例) | ギャラリー:NextGengallery lightbox:PhotoSwipe for WordPress カスタム投稿タイプ:Cutom Post type UI Web拍手:まろやかWeb拍手 |
具体的にどうやって作ったか=WordPressによる同人サイトの作り方を、続きの記事で紹介していきます。
ここからはしばらく、サイトの作り方についての説明を続けていきますので、
新しく同人サイトを作ってみたい人は参考にしてみてくださいませ。